投稿日:2026.09.25 最終更新日:2026.10.16
スケルトンリノベーションとは?間取りも配管も新しくなる工事と住まいごとの条件
中古マンションを内見しても、「この部屋はどこまで変えられるのだろう」と疑問を持ったまま帰ってくることも多いのではないでしょうか。
調べていくうちに「スケルトンリノベーション」という言葉に行き当たったものの、設備を新しくするリフォームと何が違うのかもはっきりしないものです。
この記事は、今まさにそうした段階にいらっしゃる方に向けたものです。
スケルトンリノベーションは、壁・天井・床をすべて解体し、そこから間取りも配管も一から作り直す工事です。ただし、どこまで自由にできるかはお住まいごとに違います。その差を決めているのは、間取り図には出てこない、壁と床の中の条件です。
スケルトンリノベーションをお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
- スケルトンリノベーションが、どこまで解体する工事なのか
- 実際の施工事例で、間取り以外に何が変わるのか
- 自分の住戸で実現できるかを左右する条件は何か
- 費用にはどこまでが含まれるのか
- 工事はどんな流れで進み、住まいをどれだけ空けることになるのか
スケルトンリノベーションとは?
まずは、スケルトンリノベーションが、どのような工事なのか、設備交換を中心としたフルリフォームとの違いから見ていきましょう。
骨組みだけにして構造から作り直す工事

スケルトンリノベーションとは、壁・天井・床をすべて解体し、スケルトン(骨組み)の状態にしてから住まいを作り直す工事です。
マンションであれば、コンクリートの建物を支える骨組みだけが残った状態を指します。
内装や間仕切り壁をすべて取り払うため、既存の部屋割りに縛られず、間取りも暮らしやすさも一から自由に設計し直せます。一部の設備や内装だけを交換するリフォームとは、手が届く範囲が大きく違います。
なお、この工事はマンションでも戸建てでも行えます。
フルリフォームとの違いは「設備だけ」か「間取りごとか」
フルリフォームはキッチンや浴室など設備の交換が中心で、間取りや配管には基本的に手を加えません。
一方のスケルトンリノベーションは、間取りの変更だけでなく、普段は見えない配管や断熱材の入れ替えまで含めて住まい全体を刷新します。
到達できる範囲が広いぶん、工事の規模も費用も変わります。どちらを選ぶかは「どこまで作り直す必要があるか」で決まります。設備の古さだけが気になるのか、暮らし方そのものを変えたいのか。判断の材料は、次の章から順にお伝えします。
スケルトンリノベーションでできることは?
住まいを骨組みの状態に戻すことで、目に見える「間取り」だけでなく、普段は見えない「壁や床の中」まで一新できます。
間仕切りをなくして理想の間取りを一から描く
スケルトン状態から設計し直せるため、いまの部屋割りを前提にしない間取りが描けます。
LDKを広げる、和室を洋室にする、個室の数を変える、回遊できる動線をつくる、収納を増やす、ワークスペースを新しく設けることもできます。
動線の悪さや収納不足といった日々の不満は、設備の交換では届かない規模で解決できます。
配管・配線・断熱材まで一新して見えない部分も新しく
壁と床を解体するからこそ手が届くのが、給排水配管・電気配線・断熱材の3つです。
いずれも普段の暮らしでは目に入らない部分で、部分的な工事では後回しになりがちなところでもあります。築年数の経ったお住まいで、間取りと同時にここを入れ替えられるのは、スケルトン状態にする工事だからこそです。
配管も配線も断熱材も新品に入れ替わるという意味では、見えない部分は新築に近い状態まで戻せます。建物の骨組みそのものは活かす工事ですが、暮らしに関わる設備の中身はしっかりと入れ替わります。
「やりたいこと」は本当にできる?住まいの条件で答えが変わる3つのポイント

ここまで見てきた「できること」が、実際に自分のお住まいでどこまで実現できるのか。
それを左右するのが、水回り・壁・管理規約の3つです。「できない理由の一覧」ではなく、現地調査で確認する項目としてご覧ください。
水回りをどこまで動かせるか
キッチンや浴室、洗面をどこまで動かせるかは、床の構造で変わります。マンションの床には二重床と直床の2種類があり、二重床は床下に空間があるため配管を通しやすく、水回りをある程度移動できます。直床は床下の空間がないため、大きく動かすことは基本的に難しくなります。
トイレは、さらに排水方式によって条件が変わります。配管が壁に向かって抜けているか、床に抜けているかで動かせる範囲が違ってきます。特に壁排水は配管の傾きを保つ必要があるため、位置を大きく動かすのが難しくなります。
加えて、階下の配管に影響する工事は制約を受けます。ご自身の住戸の中だけで完結しない部分があるということです。
壁をどこまで取り払えるか
撤去できるのは、部屋を仕切るための「間仕切り壁」です。建物の重さを支えているコンクリートの壁は、構造上動かせないため撤去できません。
どの壁が撤去できないのかは、同じマンションでもお部屋の位置によって異なります。図面だけで判断するのではなく、現地で専門家が構造を確認することが欠かせません。
マンションの管理規約で何が制限されるか
マンションには管理規約があり、工事の内容そのものに条件がつくことがあります。多いのは、階下への音の伝わりにくさを示す基準(遮音等級)を満たす床材が指定されている場合や、工事ができる時間帯が決められている場合です。
もう一つ見落とされやすいのが、ご自身の部屋の内側の専有部とマンション全体で管理する共用部の境界です。バルコニー・玄関ドア・窓サッシは共用部にあたり、専有部の工事では変更できません。窓を断熱計画の中心に置いて考えている場合は、この線引きを先に確認しておく必要があります。
3つとも、お住まいの構造や規約次第で答えが変わる項目です。だからこそ、最終的な可否は現地調査で確かめる必要があります。
「うちのマンションでは無理かもしれない」と思われた方も、あきらめずにご相談ください。当社では「できません」で話を終わらせず、条件を確認したうえで、ご希望を叶える別のプランをご提案します。現地調査は無料で行っております。
工事費用の目安と、完成までの期間

計画を具体化するうえで知っておきたい、費用の目安と相談から完成までのスケジュールを整理します。
費用の目安はプランによって1,000万円〜
費用は、どこまでご自身で決めていくかによって変わります。目安は以下の通りです。
- フルオーダーのAtelier More(オーダーリノベ):1,500万円〜
- セミオーダーのSelect More(えらべるリノベ)全面:間取り変更なし1,000万円〜、間取り変更あり1,250万円〜
注意しておきたいのは、この金額に仮住まいや引越しの費用が含まれない点です。工事費とは別予算として見込んでおく必要があります。費用の内訳をもう少し細かく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
リフォームの費用 どれくらいかかる?【戸建て・スケルトンリフォーム編】
リフォームの費用 どれくらいかかる?【戸建て・スケルトンリフォーム編】 費用の目安 戸建てのスケルトンリフォームをするといくらかかる? 東京ガスリノベーションで戸建てのスケルトンリフォームをした場合の費用の目安をご紹介します。 スケルトンリフォームとは、建物の骨組みだけを残して行う大
相談から引き渡しまでの期間は約5〜8ヶ月
期間の目安は、プランによって以下のように変わります。
- フルオーダーのAtelier More(オーダーリノベ):約7〜8ヶ月
- セミオーダーのSelect More(えらべるリノベ)全面:約5〜6ヶ月
設計の打合せに時間をかけるぶん、フルオーダーのほうが長くなります。
そしてもう一点、スケルトンリノベーションは床や壁をすべて解体するため、住みながらの工事ができません。一定期間の仮住まいが必要になるため、工事スケジュールに合わせて早めに生活拠点の段取りを立てておきましょう。
悩みを解決!スケルトンリノベーションの施工事例
ここまでご説明してきたことが、実際にはどう形になるのか。当社の施工事例5件をご紹介します。
いずれも特定の住戸・特定の時期の実績ですが、ご自身の現在のお悩みやこれからの理想と重ね合わせて、ぜひ参考にしてみてください。
結露と西日の悩みを断熱材と内窓で解決

築28年のマンション(施工面積77.6㎡・東京)にお住まいの方の事例です。西側が全面窓で西日が強く、冬は窓下の結露とカビに悩まされていました。
そこで、洋室1・洋室2の間仕切り壁を撤去して1室にまとめ、スケルトン状態にした壁に断熱材を施工しました。
窓には、今あるサッシの内側にもう1つ窓を追加するインナーサッシ(内窓)を設けました。既存のサッシには手を加えず、室内側に窓を足す方法です。
あわせてキッチンとの間仕切り壁に引戸を新設し、空気が通るようにしています。和室を撤去してリビング・ダイニングも広げました。
和室を洋室に変えて家事動線を短縮

奥さまの職場復帰を機に住み替えた方の事例です。和室が2部屋あるマンション(施工面積約74.9㎡・築18年)を解体し、全室を洋室にした3LDKへ作り替えて、LDKと玄関を広げました。
キッチンとダイニングは横並びに配置し、洗面台の位置も変えて、キッチンから洗面・浴室へ直接入れるようにしました。
これでキッチン〜洗面〜玄関ホール〜ダイニング〜キッチンと回れる動線になっています。
主寝室のウォークインクローゼットやLDKのシステム収納など、収納計画も同時に組みました。
廊下を広げて大容量の玄関収納を確保

お子さまの独立をきっかけに、ご夫妻と愛犬が心地よく暮らせるセカンドライフ向けの住まいへ組み直した事例です(施工面積88.77㎡・築約30年)。
和室とキッチンの間仕切り壁を撤去し、洋室との間仕切り壁の位置も変えて、約22帖のLD空間を確保しました。
廊下は以前より約10cm広げ、洋室(1)の間仕切り壁を一部撤去して玄関収納を大きく増やしました。LDKや水回りへの扉はすべて引戸にしています。
施主のLさまからは「間仕切り壁を撤去してスケルトン状態から工事をはじめたので、廊下の幅や洋室の間仕切り壁の調整ができました」とのお声をいただいています。
家族の顔が見渡せるオープンキッチンへ

築27年を迎え、住まい全体の更新が必要だと考え始めた方の事例です(施工面積77.51㎡)。独立型キッチンと和室のある3LDKで、キッチンに立つと家族と話しながら料理ができないことが不満でした。
寝室として使っていた和室を取り込み、シンクの前からLDK全体を見回せる広いLDKに再構成。
リビングとダイニングキッチンの間には間仕切り開閉壁を設け、来客時は独立した予備室として使えるようにしました。主寝室とLDKはウォークスルークローゼットでつなぎ、回遊できる動線にしています。
暮らしの動線に合わせた収納設計

築20年以上のマンション(施工面積約65.55㎡)で、暮らしやすい動線がなく物が出たままになりがちだったお住まいの事例です。
隣接する和室をフローリングにしてLDに取り込み、間仕切りをスケルトン状態にして、南面にワイドな大空間のLDを確保しました。
そのうえで、主寝室〜ウォークスルークローゼット〜リビングのプライベート動線、玄関〜LDのパブリック動線、LD〜キッチン〜洗面室〜浴室の動線という3つを設計しました。
その動線上に、用途に合わせて出し入れしやすい収納を配置しています。
まとめ:スケルトンリノベーションで「やりたいこと」ができるか確かめよう
スケルトンリノベーションは、壁・天井・床をすべて解体し、間取りから配管・断熱材まで見えない部分も新しく作り直す工事です。
ただし、間取りや水回りの自由がどこまで効くかは、床の構造や建物を支える壁、管理規約などお住まいの条件で違います。費用は間取り変更なしで1,000万円〜、間取り変更ありで1,250万円〜、期間は約5〜8ヶ月が目安です。なお、費用は60㎡を基準とした目安のため、お部屋の広さによって変わります。
- 骨組みまで解体し、間取りだけでなく配管や断熱材も一新できる
- 水回りの移動や壁の撤去範囲は、床構造や管理規約で決まる
- 費用目安は1,000万円〜、工期の目安は約5〜8ヶ月
- 住みながらの工事はできないため、仮住まいの手配が必要
ご自身の住まいで何がどこまでできるのかは、現地を見て初めて確定します。現地調査は無料です。フルオーダーのAtelier More(オーダーリノベ)、セミオーダーのSelect More(えらべるリノベ)、それぞれのサービスページもあわせてご覧ください。
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