新2号建物とは?2025年4月建築基準法改正の内容を解説
※2025年11月時点の情報です

2025年4月に施行された建築基準法改正は、リフォームやリノベーションを検討する方にも影響のある内容が含まれています。
特に「新2号建物」という言葉は、自宅や実家のリフォームにおける重要なキーワードです。
この記事では、法改正のポイントや「新2号建物」とは何か、「新2号建物」のリフォーム時にどのような点を注意すべきかといった点をわかりやすく解説します。
2025年4月建築基準法改正、3つのポイント
今回の建築基準法改正にはさまざまな内容が含まれていますが、特に押さえておきたいのが次の3つのポイントです。
(1)「4号特例」が縮小された
(2)すべての新築建物で省エネ基準適合が義務化された
(3)確認申請で提出する書類が増えた
ここでは、各ポイントの内容を詳しく見ていきましょう。
(1)「4号特例」が縮小された
今回の改正で最も大きな変更点が、「4号特例」の縮小です。
改正前の「4号特例」とは、一般的な2階建て木造住宅など(4号建築物/4号建物)を建てる際、建築確認申請の手続きを簡略化(審査省略制度)できる決まりのこと。
しかし、2025年4月の建築基準法改正でこの区分が見直され、従来の4号建築物は「新2号建築物(新2号建物)」と「新3号建築物(新3号建物)」の2つに分けられました。
重要なのは、「新2号建物」(多くの木造2階建て住宅が該当)が、審査省略制度の対象から外れた点です。加えて、4号建物では建築確認申請が不要だった「大規模の修繕・模様替え」(リフォーム)についても、新2号建物では申請が必要となりました。
(2)すべての新築建物で省エネ基準適合が義務化された
法改正において「4号特例」の縮小と並ぶもう一つの柱となっているのが、「省エネ基準適合の義務化」です。
改正前、小規模な住宅の省エネ基準適合は努力義務とされていましたが、2025年4月以降は、原則すべての新築建物で省エネ基準を満たすことが義務付けられました。
これにより、省エネ基準に適合する断熱性能やエネルギー効率の家でなければ、新しく建てることができなくなりました。
また、省エネ基準適合の義務化は新築だけに限りません。
リフォームでも、一定面積以上の増改築を伴う場合は、増改築した部分について省エネ基準への適合が求められます。この点はのちほど詳しく解説します。
(3)確認申請で提出する書類が増えた
上記(1)(2)の変更に伴い、建築確認申請時に提出すべき書類も増えました。
特に「新2号建物」では、これまで審査が省略されていた「構造関係規定等の図書」(構造計算書や仕様書、図面など)の提出が必須となっています。
省エネ基準適合が義務化されたため、断熱材の仕様やエネルギー消費量を示す「省エネ関連の図書」の提出も必要になりました。
書類作成の手間がかかる分、申請にかかる時間や費用も、従来より増える可能性があるでしょう。
「新2号建物」「新3号建物」について解説

法改正で「4号特例」が縮小され、「新2号建物」「新3号建物」という新しい区分が追加されました。法改正後の建物の区分(1号〜3号)を一覧表で確認しましょう。
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区分 |
規模要件 |
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1号建物 |
特殊建築物で、その特定用途に使われる床面積の合計が200m2超 |
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新2号建物 |
1号建物を除く、2階建て以上 または 延床面積200m2超 |
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新3号建物 |
延床面積200m2以下の平屋建て |
この表の通り、「新2号建物」の範囲は広くなっています。
改正前の「4号建物」のうち、木造2階建てのほとんどや面積200m2以上の平屋建てなどが「新2号建物」に含まれるようになりました。
「新2号建物」とは?
「新2号建物」とは、改正建築基準法の第6条第1項2号の内容に当てはまる建物を指します。
建築基準法第6条第1項2号
前号に掲げる建築物を除くほか、二以上の階数を有し、又は延べ面積が二百平方メートルを超える建築物
(引用)e-GOV法令検索「建築基準法」
従来は、木造か非木造かで分類が異なっていましたが、法改正後は「2階以上」または「延床面積200m2超」のどちらかに該当する建物は、構造に関係なく「新2号建物」に分類されることになります。
標準的な2階建て木造住宅は「新2号建物」となるため、審査省略制度の対象外となり、「大規模の修繕・模様替え」時には建築確認申請が必要になるのです。
「新3号建物」とは?
「新3号建物」は、改正前の「4号建築物」のうち、「新2号建物」に該当しない、「平屋建てで延床面積200m2以下」の建物を指します。
標準的な木造住宅の場合、平屋で200m2を超えるケースは珍しいため、平屋の木造住宅の大半は「新3号建物」に該当すると考えてよいでしょう。
「新3号建物」については、従来どおり審査省略制度の対象となるほか、原則「大規模の修繕・模様替え」時の建築確認申請が不要です。
「新2号建物」と「新3号建物」の建築確認申請の違い
「新2号建物」と「新3号建物」の建築確認申請における大きな違いは、審査省略制度の扱いと、「大規模の修繕・模様替え」時の申請の必要性にあります。
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構造関係規定等図書 |
省エネ関連図書 |
「大規模の修繕・模様替え」時 |
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新2号建物 (2階建て) |
要提出 |
要提出 |
要申請 |
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新3号建物 (延床面積200m2以下の平屋建て) |
提出不要 |
提出不要 |
申請不要 |
このように2階建て以上の住宅において、以前より建築確認申請が厳格化されています。
「新2号建物」をリフォームする際の注意点

2025年4月の建築基準法改正は、新築だけでなく、2階建ての住宅をリフォームする際にも影響があります。
「新2号建物」のリフォーム時に気をつけるべき注意点は以下の3つです。
・「大規模な修繕・模様替え」は建築確認申請が必要になる
・建築士による設計・工事監理が必要な場合もある
・10m2超の増改築は省エネ基準に適合しなければならない
それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。
「大規模な修繕・模様替え」は建築確認申請が必要になる
法改正によって「新2号建物」は審査省略制度の対象外となりました。
これに合わせ、「大規模の修繕・模様替え」についても、新たに建築確認申請が求められるようになりました。
「大規模の修繕・模様替え」とは、建物の主要構造部(壁、柱、2階以上の床、梁、屋根、階段)のうち、一種以上について行う「過半の」修繕・模様替えを指します。
<大規模の修繕・模様替えの例>
・間取りを大幅に変更するスケルトンリノベーション
・耐震性を高めるため、壁や柱などの構造部に施す耐震改修リフォーム
・壁や床、天井などを解体して行う大規模な断熱リフォーム
・床面積10m2を超える増改築を伴うリフォーム
一方で、構造部に手を加えない小規模なリフォームは建築確認申請の対象外です。
例えば、キッチンやトイレなどの水まわりリフォーム、手すりの設置や引き戸への変更といったバリアフリーリフォームを行う場合、基本的に建築確認申請は必要ありません。
建築士による設計・工事監理が必要な場合もある
延床面積100m2を超える「新2号建物」で「大規模な修繕・模様替え」を行う場合、原則として、建築士による設計および工事監理が求められるようになりました。
これまでは建築士の設計・工事監理が必須でなかったリフォームでも、専門家である建築士による図面作成と、工事が図面通りに行われているかのチェックが必要になったということです。
なお、都道府県によっては異なる延床面積の基準を設けている場合があるため、事前にお住まいの都道府県に確認しておきましょう。
10m2超の増改築は省エネ基準に適合しなければならない
省エネ基準適合は基本的に新築住宅に対して求められるものですが、リフォームでも10m2を超える増改築を行う場合には、その増改築する部分について省エネ基準を満たしていなければなりません。
これはあくまで増改築を伴うリフォームを行う場合であり、大規模なリノベーションでも増改築を伴わないのであれば、施工箇所を省エネ基準に適合させる必要はありません。
とはいえ、リフォームやリノベーションで断熱性能を高めて省エネ基準に適合させることは、住まいの快適性アップや光熱費削減につながるのでおすすめです。
まとめ
2025年4月の建築基準法改正により、「4号特例」の対象とされていた木造2階建て住宅が「新2号建物」となり、審査が厳格化されました。
特に「大規模な修繕・模様替え」の際にも建築確認申請が必要となった点が、リフォームにも大きな影響を与えています。
最新の法令の内容に合わせて、正しく手続きを進められるよう、この記事の内容をしっかり理解しておきましょう。
また、法律に関する知識も豊富な、信頼できるリフォーム会社に相談することも大切です。